知らないと大損! 専門家が語る「税金免除で中古住宅をお得に買う方法」
2018/02/27
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33歳で社内結婚し、来春には待望の娘も生まれるという中、マイホームを検討し始めました。
これから増えていくであろう家族のことを考えると、やはり間取りが多く、通勤や通学に良い場所が一番。
場所は地元の実家にほど近い地区で探していました。
マンションや新築の戸建てという選択肢もあったのですが、総額が同価格の場合土地の広さがより大きいという理由などもあり、中古住宅を購入することに。
住宅ローン控除を受ける条件を自分で調べていたところ、税務署で税金を納めなくていい方法がいくつかあるとのこと。
そう、税金免除の裏ワザがあるんです!
税金免除の裏ワザ「瑕疵保険」
なんと『瑕疵保険』に入ったら税金が少なくなるのです。
しかしそのためには『インスペクション』というものをしなければいけないとのこと。
『インスペクション』?
初めて聞く言葉でしたが、ネットで検索してみると納得。
『インスペクション』とは簡単に言うと「おうちの健康診断」。
建物のプロ、建築士や既存住宅状況調査技術者が専門家の第三者的立場から、住宅の劣化状況や雨漏り・傾きなどあらゆることを検査してくれると言うのです。
確かに中古住宅というと、今までどんな使い方をされていて現在どんな状態にあるのかが(特に見えない部分は)わかりづらい。
もし購入・入居後に決定的な欠陥が見つかればその工事代もきっとバカにならないだろう。その工事の期間も違う場所を探して住まなければいけないに違いない…決して安い買い物ではないのでここにお金を使うべきだ!と直感で感じました。
『インスペクション』をすることで『瑕疵保険』にも入れるし、『税金免除』も受けることができる!一石二鳥、いや三鳥…いやそれ以上の価値を感じた私は、比較的綺麗な状態の中古住宅を内見すると同時に購入の意思を固め、『インスペクション』も行うことに決めたのです。
そこで扉を叩いたのが『一般社団法人ワールド・インスペクション』。
数多くある中でも、こちらでは「これから高齢化・少子化が進む日本全国の中古住宅の流通・普及にインスペクションは絶対欠かせない」と信じる建築士の集団が立ちあげた団体とのこと。
一般社団法人ワールド・インスペクションの大北さんのおはなし
「私どもは、平成26年9月にインスペクションという検査業務を高松市内で初め て行いました。国土交通省事業である「住宅団地型既存住宅流通促進モデル事 業」の一環でした。
これは既存住宅の各部位を定められた方法で調査を行い、その状況を報告書と して依頼主(建物所有者)に報告するというものでした。当時、こうした調査査・報告を国のインスペクションガイドラインに沿って行ったものはなく、当 時として、既存住宅の流通の中でその商品としての価値を判断する画期的なも のでした。
また当時、インスペクションに対する肯定派、否定派を含め住宅流通において 衝撃を与えたことは間違いのないことでした。衝撃が大きいほど、国の施策と して将来定着した時、業界の大きなうねりを起こし、確実に成長する分野であ ることが感じられました。
一般社団法人ワールドインスペクションのメンバーは、建築士(1級・2級)で あり、そのようなインスペクションの必要性を認め普及に対し一早く誓ったメ ンバーです。したがって後に続く後輩技術者のためにその技術精度を高め、精 度の高い調査報告書が作成できるようにしなければなりません。
そのための調査技術的向上を目指し、当団体が検査事業者として登録している 瑕疵担保保険法人の技術者と共に、保険の内容に沿った調査方法の習熟を目指 しています。また現場技術の研修として、新メンバーには最初現場において先 輩技術者からその調査方法、注意点などのレクチャーを受けていただいていま す。発生したクレーム、問題等はメンバー全体で共有し、その対策について協 議しています。
そして一番の特徴として、当団体においては、統一された調査報告システムで 行っているということです。つまりモバイル等を利用し、瞬時に精度の高い報 告書をマニュアル通りに作成することでその精度を高め、お客様のニーズに応 えることとしています。
インスペクションは有資格者であれば制度的には問題なく行えます。しかしな がら技術的裏付けの蓄積および問題解決ということに関していうと、正確で第 三者的な技術的な根拠が必要です。技術向上において当団体は日々努力し、ユ ーザの皆様に本当に役立つインスペクションを目指していきたいと思います。」
こういう経緯で、不動屋さんを通じて、売り手である大家さんに『インスペクション』をしてもらうことになったのです。
インスペクション立ち会い~家の周辺~
物件購入予定者という立場として『インスペクション』に立ち会うことができました。
インスペクションを行うインスペクターさんについて家の周辺を回ります。
まず、建物がどういう状況のところ(池・川が周辺にある、近所に大きい神社や木があって常に水が流れているなど)に建っているかを見ます。
建築士は建物が歪んでいたらすぐわかるので、目視で見た感じで丈夫そう・傷んでいる部分にあたりをつけます。
外壁に苔が生えていたら、そこは水がたくさん当たっているので内側に水漏れや雨漏れがしているんじゃないか?と大まかな予測ができるそう。
一番ポイントになるのが基礎周りで、大きなひび割れがないか(表面上だけなのか、奥まっているものなのか)をチェック。
そして、ちょっと離れたところから屋根を見ます(瓦の屋根だったらズレ・割れチェック)。
外からあたりをつけて中へ入ると、より判断がしやすくなる、ということなんですね。
インスペクション立ち会い~家の中~
いざ中へ。
建具(サッシなど)がスムーズに開くか、歪みはないかを入念に確認。
建物が歪んでいる場合は建具が開きにくくなるため、これは大きな目安になるんだそう。
そしてその歪みは、建具を取り付けるための梁だけなのか、柱だけなのか、はたまた家全体なのか、あらゆるパターンを想像しながら水平器で検査。
この水平器を床に置いたり柱に当てたりして正確な数値を出すことで、どこに歪みの原因があるか確実に見つけることが出来ます。
次は内壁。シミや雨染みが出来ていないか(屋根・サッシのキワ・屋根と壁の取り合い・・など原因はたくさん考えられるそう)を目視で確認。
クロスがベコベコと異常に膨れているなども要注意、とのこと。
天井点検口から懐中電灯を照らして、梁とか柱が濡れているか(古い雨染みなのか新しいものなのか、大量にあるのか否か)も見ていきます。
梁が割れていないか、小動物がいないかも確認してくれますよ。
その次は床下。シロアリの被害にあっていないかをチェック。
これは蟻道(ぎどう)と言って、シロアリが土や排泄物・餌の食べかすで作った「餌場へ向かうトンネル」のこと。
最後は流しの下を見て水道の水漏れなどが起きていないかを確認して終了しました。
このインスペクションの間、インスペクターさんは平面図も作成してくれているようでした。中古住宅なのでこういうものがあればとても助かりますよね。
インスペクションにかかる時間は2~3時間。1週間後に報告書の提出がありました。
部屋の間取りや家の大きさなどで前後はするものの、インスペクション自体は2〜3時間程度でした。
『報告書』写真付きのもの・家の劣化状況・正確な面積がわかる平面図・シロアリ報告書が1週間程度で送付されて来ました。
不動産会社が必ず教えてくれるわけじゃない「おうちの見えない部分」
ちなみにこの『インスペクション』をして『瑕疵保険』に入り『税金免除』を受けるという裏ワザは、不動産会社に教えてもらった訳ではないというところがポイント。
義務ではないけれども、中古住宅の買手からするとこのシステムは知っておくべき重要な情報ですよね?
売る方にも買う方にもリスクや損がないようにきちんと説明をして、いかにリスクヘッジできるかを最大限考えてやることが不動産会社の責任であると私は思います。
『インスペクション』をして、見えない部分を最低限カバーし、それでも起こることがあるから『瑕疵保険』に入ってこういうリスクやメリットがありますよ、と周知して売買すべきなのです。
不動産取引の形骸化(利益・手数料を取るだけ)が今の実態であり、大手だからといって全幅の信頼を置くことは非常にリスクがあるということを今回強く感じました。
見えない部分だからこそしっかりと専門家の目で点検『インスペクション』をしてもらい、中古物件だからこそ万一の時に備え『瑕疵保険』に入る。そうすることにより『税金免除』が可能になる。
こんなメリットだらけの制度を利用しない手はありませんよね!
※インスペクションを実施いただいた方にご感想を頂きました。
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